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8km Daily PAL NDVIデータの構築と

北部ユーラシアの植生フェノロジー
(途中経過報告)

鈴木 力英
(海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター,
千葉大学 環境リモートセンシング研究センター)

CEReSの夕べ, Nov. 16, 2004


第2回地球観測サミット(Earth Observation Summit II)
コミュニケ (2004年4月:東京)

地球観測作業部会(GEO)(欧州委員会,日本,南アフリカ,アメリカ)

■ 大きな目標
地球システム(天候,気候,海洋,陸域,地質,自然資源,生態系,自然及び
人類起源の災害)に対する我々の認識及び理解を変化させ向上させる →
人間の健康と安全、福祉の増進、貧困を含む人間の苦難の軽減、地球環境
の保護、持続可能な開発の達成

■ 計画
全球地球観測システム(GEOSS: Global Earth Observation System of
Systems)の立ち上げ,その10年計画を策定 →
2005年2月第3回地球観測サミット(ブリュッセル)に対し案を用意する.

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GEOSS 10-Year Implementation Plan - DRAFT REFERENCE DOCUMENT 202-1
Ad hoc Group on Earth Observations (GEO) Implementation Plan Task Team (IPTT)
http://earthobservations.org/

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■ 気候と植生の密接な相互関係の研究

• 気候 ⇒ 植生
– 気温,降水量などの気候因子が植生の地理的分
布,季節変化,経年変化へ及ぼす影響

• 植生 ⇒ 気候
– 蒸散,アルベドの変化,力学的粗度の変化,遮断
蒸発

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■ 研究の目的

• ユーラシア北部の植生フェノロジーを精密に調べ
,その経年変化やトレンドを明らかにし,気候要
因との関連を発見する.

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CEReS第1プロジェクト
衛星データによる地球表層環境変動の実態把握とその要因解析

グ 本研究での実態把握 既存のデータ

ー 地表面温度 気温
バ 土地被覆 樹木被覆率

・ 植生活動 氷河 海氷 降水量 積雪


規 人間活動によるCO2排出

  変動・トレンドの関係分析 グローバル変動
 
  の解釈

ー 土地被覆・植生の変動と気候要因、人間要因
カ (経済活動、政策)の分析

サイト1 サイト2 サイト3
CEReSの夕べ, サイトn
Nov. 16, 2004
植生指数(NDVI: Normalized Difference
Vegetation Index)を計算する方法

NIR  VIS
NDVI 
NIR  VIS

VIS:可視域での反射強度
NIR:近赤外域での反射強度

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過去の研究の紹介

R. Suzuki, T. Nomaki and T. Yasunari (2003):


West-east contrast of phenology and climate in northern Asia
revealed using a remotely sensed vegetation index.
International Journal of Biometeorology, 47, 126 – 138.

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50-90E/55-60Nの地域内で平均されたNDVIと積雪

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植生フェノロジーを表す,三つのタイミング.

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年間で始めてNDVIが0.2を超えた週(W-a)の分布 (1987-
1991年の平均) (Suzuki et al. 2003より)
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年最大NDVIが出現した週(W-b)の分布 (1987-1991年の平均).
(Suzuki et al. 2003より)

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NDVIが年最大となった後,0.2を下回った週(W-c)の分布
(1987-1991年の平均) (Suzuki et al. 2003より)
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45-50N東西トランゼクトとカザフ地域 (A)とモンゴル地域 (B)

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Kazakh

Mongolia

45-50N東西トランゼクトにおける, W-a, W-b, and W-cの東西プ


ロファイル. (Suzuki et al. 2003より)

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45-50N東西トランゼクトにおける, NDVI,気温,降水量,土壌
水分,積雪深の季節変化. (Suzuki et al. 2003より)
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可視・近赤外帯で地表面を観測するセンサーの比較
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植生のリモート・センシングに利用される主な衛
星/センサー
• NOAA/AVHRR (Advanced Very High Resolution Radiometer):
1981 – 2004, 全球, 日別値, 1.1km

• Terra, Aqua/MODIS (Moderate-resolution Imaging


Spectroradiometer): 2000 – 2004, 全球, 日別値, 500m, 1km

• SPOT-4/VEGETATION: 1998 – 2004, 全球, 日別値, 1km

• Landsat/TM, ETM+ (Enhanced Thematic Mapper Plus): 1972 –


2004, 地域的, 16日毎, 40m

• ADEOS-II(みどり2号)/GLI (Global Imager): 2003年1月25日~


2003年10月24日, 全球,日別値,250m~1km
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■ 植生指数データ
NOAA/NASA Pathfinder AVHRR Land (PAL) Data Set

• 期間: 1982年7月13日~2000年12月31日
• 時間解像度: daily
• 地域: 全球陸域を1000 x 1000kmのタイルでカバー
• 水平解像度: 8 km x 8 km (125 x 125 line-pixel for a tile)
• 要素: NDVI, Ch1 (Ref), Ch2 (Ref), Ch3 (TB), Ch4
(TB ), Ch5 (TB ), CLAVR flag, QC flag, Scan Angle,
Solar Zenith, Relative Azimuth, Day of Year

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Tile region of NOAA/NASA Pathfinder AVHRR Land Data Set
http://daac.gsfc.nasa.gov/data/dataset/AVHRR/01_Data_Products/05_Tile_Products/pal_tile.html

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今回,実際にPALデータを入手した地域 (全101タイル)
全体で約35.5GB.
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Neighbor 8-pixel
comparison method
(NECM)による,水平方向
のノイズの低減化の例
(1986年4月23日).閾値を
0.3に設定.
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Neighbor 8-pixel comparison method (NECM)による,水平方向
のノイズの低減化の例 (1986年4月23日).
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植生指数データから雲の影響を除去するアルゴリズム

• MVC (Maximum Value Composite) by Holben


(1986)
• BISE (Best Index Slope Extraction) by Viovy et
al (1992)
• TWO (Temporal Window Operation) by 朴・建石・
松岡(1999)
• Moving Maximizing by Suzuki et al.

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Temporal Window
Operation (TWO)
朴・建石・松岡(1999)より.

1. 時系列NDVIデータにおける
windowの中で,始点よりも大
きな値を持つ点が存在すれば
,その点を次のwindowの始点
とし,両始点の間を緩やかな
NDVI増加とみなし,両始点間
に存在する値を直線補間によ
り修正する.

2. Windowの中で始点よりも大
きな値を持つ点が存在しない
場合,始点を除いた最大値を
次のwindowの始点とし,両始
点間をNDVIの緩やかなNDVI
の減少とみなし,両始点の間に
存在する値を直線補間により
修正する.
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北半球における
1990年6月の平均
雲量.CRU TS2.0
の雲量データを統
計した.

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北半球における
1990年12月の平均
雲量.CRU TS2.0
の雲量データを統
計した.

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TWOによる雲の影響の低減 (1990年6月5日の例) (オリジナルは1990年1月1日~12月
31日のアニメーション)
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TWOによるdaily NDVI値の計算の例.Windowの長さは15日.
東シベリア,ヤクーツクのそばのSpasskaya Padを含む一つの
8 x 8kmピクセルを取り上げた.
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19年間平均のdaily NDVIの例 (2月20日) (オリジナルは1月1日~12月31日のア
ニメーション)

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NDVIが年最初に0.2を上回った日(D-a)の分布(day-of-year).
1982~2000年の平均NDVIより計算.
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NDVIが年最大となった日(D-b)の分布(day-of-year).1982~2000
年の平均NDVIより計算.
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NDVIが年最大となった後,0.2を下回った日(D-c)の分布(day-of-
year).1982~2000年の平均NDVIより計算.
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1993年における,(a) NDVIが年最初に0.2を
上回った日の分布,(b) NDVIが年最大となっ
た日の分布,(c) NDVIが年最大となった後,
0.2を下回った日(D-c)の分布.単位はday-
of-year. (オリジナルは1982~2000年のアニ
メーション)

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■ 今後の予定
 植生のフェノロジーに関わる以下のパラメータにつ
いて,その時空間変化,特に経年変化を明らかに
する.
 Green-up, Maximum, Senescence
 生育期間
 NDVI積算値(NDVI・day)
 以上の植生の経年変化を気候要因と関連付けて
説明する.
 NDVIを物理量化し,モデル開発へ貢献する

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